手塚治虫はやはり漫画の神様だ

言わずと知れた、日本を代表する漫画家、手塚治虫。

彼がいなければ、現在の漫画はここまで発展していなかった、と多くの人が言う。

私は小学校の頃から、多くの手塚作品を読んできた。

ブラックジャック、どろろ、海のトリトン、シュマリ、ブッタ、アドルフに告ぐ…。

そのどれもが素晴らしいのだが、ここでは火の鳥をぜひお薦めしたい。

火の鳥は、手塚治虫が生涯をかけて取り組んでいた作品だ。

過去、未来、過去、未来と振り子のように時代が繰り返し、手塚治虫が亡くなる瞬間に、作品が完結する、という構想で描かれた。

作品の軸となる火の鳥は不死鳥であり、その血を飲めば不老不死になる、という言い伝えがあった。

その火の鳥を巡り、人間たちは時に争いを起こし、自分達のあまりの儚さ、愚かさに苦しんで死んでいく。

そもそも手塚作品は、ハッピーエンドを迎えることがあまりないように思う。

子どもの頃、どんなに熱中して読んでいても、幸せな最後を迎えることが出来ない、やりきれなさが残る手塚作品に、やきもきしたこともある。

しかし、その「やりきれなさ」こそが、手塚作品の真髄なのだと思う。

人間は愚かで、醜く、同じ過ちを繰り返す。

それでも、今この瞬間にも新たな命が生まれて、消えていく。

そうした巨大な渦の中に私たちはいて、どう生きていくべきなのか。

どうあるべきなのか。

火の鳥は、現代の私たちに訴え続けてくれているのだと思う。